ラグビーでやれたんだ。日本全体でだってきっとやれる ! | イージー・ゴーイング 山川健一

ラグビーでやれたんだ。日本全体でだってきっとやれる !

ピーター・ガブリエルが南アで獄死したスティーヴ・ビコに捧げる「ビコ」を、ソロアルバムからシングルカットしたのが1980年。


スティーヴ・ヴァン・ザントの呼びかけでU2のボノやマイルス・デイヴィスが反アパルトヘイトの『サン・シティ』をリリースしたのが85年。


ネルソン・マンデラが釈放されたのが90年。



94年にアパルトヘイトが撤廃。


そして2019年、黒人のキャプテン、シヤ・コリシ選手が率いる南アのラグビーチームがワールドカップで優勝した。


南アのチーム、スプリングボクスは、ネルソン・マンデラの子供達なのだと思う。マンデラは27年間に及ぶ獄中生活の後、1990年に釈放されれ、やがて大統領になり、アパルトヘイト撤廃に尽力し、1993年にノーベル平和賞を受賞した。


南アのチームに黒人達が参加するようになったのは、マンデラの意思による。彼は獄中でラグビーの勉強をしたのだそうだ。


南アフリカのラグビーチームが初めて黒人のキャプテンに率いられてワールドカップで優勝した事は、世界に大きなポジティブなメッセージを発した。


しかし今回は日本だって大したものだった。ニュージーランド出身のキャプテン、リーチ マイケルに率いられた日本チームは初めてベスト8に入った。日本チームも南ア同様、人種的には混成チームだった。このこともまた、世界に素晴らしいメッセージを発信したはずだ。


ラグビーでできるのだから、と僕は思う──日本全体でだってそれが可能なはずだ。入国管理局は、外国人の方々にひどい仕打ちをしているようだが、さらにヘイトデモではナチスみたいに最低な言説が繰り広げられているが、僕ら全員がラグビーチームを見習わなければならないのだ。


キース・リチャーズにインタビューした時に、彼はこう言った。


「俺たちみたいに全く違う人間が5人でバンドをやれているんだから、世界だってうまくいくはずだぜ」


ラグビーでやれたんだ。

日本全体でだって、きっとうまくやれるはずだ。